日本の対中投資には、世界の流れと逆行するもう一つの現象があります。海外から中国への直接投資は過去20年の間に製造業からサービス業へ大きくシフトしました。2012年以前は5割以上を占めていた製造業はその後、2015年に3割を下抜けし、2019年には25.1%まで縮小しました。同年のサービス業の割合が69.6%に達したのとはまさに好対照です。ところが、業種別の対中投資が分かる日本側(財務省、日本銀行)の統計データをひも解くと、日本の対中投資に占める製造業の割合は2012年から2019年まで6-7割の高水準を維持しています。貿易品目の分類で上位を占めるのが輸送機械器具(34%)、一般機械器具(19%)、電気機械器具(16%)など。これは中国で確固たる存在感を放つ日本車に関連した投資が大きいと考えられます。日本企業には日本企業の強みと戦略があります。世界の流れに追随するだけがビジネスではもちろんありません。しかしながら、潮目の変化に気付かずに、自分たちだけが沖に流されているとしたら大変なリスクです。時にはこうした客観的な経済情報や統計データを基に、中国でのビジネス展開を俯瞰的に見直してみる姿勢も大切ではないでしょうか。Speeda China アナリストチーム(執筆・王思文)監修・米岡哲志sh-analyst@uzabase.com
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