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【Speeda活用術】Speeda × AIで競合ベンチマーク分析

2026年10月20日

競合比較、サプライチェーンの整理、パートナー候補の選定……。さまざまな企画業務が、まず「AIに聞いてみる」ことから始まるようになっています。しかし、AIが示した数値がどこから来たのか、正確なのかを確認するのは容易ではありません。

株式会社コーポレイトディレクション(CDI)上海オフィス董事長総経理の是枝邦洋氏は、「元データはSpeedaから取得し、加工は生成AIに任せる」という方法を実践しています。

本記事では、経営企画でよく行われる競合ベンチマーク分析を例にご紹介します。Speeda × AIで競合の特定から動向の継続的な追跡までを行い、繰り返し使える分析フローを構築する方法です。

本資料で得られること

  • 実際の検証:Speedaのデータの有無で、AIの分析結果はどう変わるのか
  • コピーしてすぐ使えるプロンプト:Speedaのデータ+AIで競合分析を行う方法
  • ニュースアラートの設定:競合動向を継続的に追跡し、分析結果を検証・更新する方法

こんな方におすすめ

  • 中国ローカル競合の現状を、日本本社へ説明する必要がある方
  • AIをリサーチに活用しているものの、数値の出典や正確性に不安を感じている方
  • 一度きりの競合分析を、定期的に更新できる業務フローにしたい方

なぜSpeedaのデータを分析に使うのか:実際の比較検証

同じ問いに対して、3つの方法で検証しました。テーマは、中国本土のパワー半導体企業における2021〜2025年の財務パフォーマンスの比較と、競争環境の分析です。

  • AIツールA(Speedaデータ不使用):

表は一見完成していますが、多くの数値が実際と一致しませんでした。比率系指標36項目のうち、誤差1ポイント以内に収まったのは9項目のみです。

  • AIツールB(Speedaデータ不使用):

数値はおおむね正確でしたが、大半の指標が「確認不可」となり、ベンチマーク分析を完了できませんでした。

  • Speedaデータ+AIツールC :

すべての指標がそろい、定義も統一されています。各数値はSpeedaで個別に確認できます。

信頼できるデータがなければ、AIは「一見完全でも検証できない回答」を出すか、「最後まで分析できない」と正直に答えるかのどちらかになります。

ここからは、Speeda × AIで競合ベンチマーク分析を行う手順をご紹介します。

ステップ1|「企業を探す」で競合企業を特定する

Speedaで業界の競合企業を絞り込むことで、規模は小さくても急成長している企業を見逃さずに把握できます。

左側メニューの「企業」から「企業を探す」を開き(こちらからSpeedaの画面に移動できます)、以下の条件を自由に組み合わせてください。

  • キーワード:主力製品・事業
  • 企業:「業界・企業」「国・地域」
  • 勘定科目:閲覧・ダウンロードしたい経営指標を選択します。具体的な数値の入力は不要です。

「アナリストによる業界選定のみを表示」にチェックを入れると、より関連性の高い企業に絞り込めます。「検索条件を保存」で条件を保存しておけば、繰り返しご利用いただけます。

以下は、中国のパワー半導体企業を検索した例です。

ステップ2|データをダウンロードする

検索結果を確認し、Excelファイルをダウンロードします。

ステップ3|AIでベンチマーク分析を行う

ExcelファイルをAIツールにアップロードし、以下のプロンプトをコピーして【 】内を書き換えてください。

参考プロンプト

私は中国に拠点を置く日系【業界】企業の【経営企画】担当者で、中国本土の競合企業の現状を日本本社に説明する必要があります。添付ファイルは、Speedaからエクスポートした中国の【業界】企業リストと【2021〜2025】年の財務データです。
ファイル構成:1枚目のシートは、8行目が項目名、9行目が会計年度、10行目が単位、11行目以降が企業データです。
データのルール:添付ファイルのデータのみを使用し、Web検索は行わないでください。欠損値は推計せず、「N/A」と記載してください。分析の前に、読み込んだ企業数を報告してください。

  1. 選別とグループ分け:「Speeda業界分類」と「企業の特色」の列に基づき、主業が明らかに無関係な企業を除外し、その理由を説明してください。親会社と子会社が両方含まれる場合は、親会社のみを残してください。残りの企業を、A群(各年の売上高合計と営業利益がそろっている)、B群(一部のデータのみ)、C群(財務データなし)に分けてください。
  2. A群のベンチマーク:売上高の年平均成長率と営業利益率を算出し、最初と最後の年度の売上総利益率・売上高研究開発費率とその変化を示してください。最新年度の売上高順に比較表を作成し、各社が中央値を上回るか下回るかを示してください。売上高の折れ線グラフと売上総利益率の比較棒グラフを作成してください。グラフを作成できない場合は、Excelに貼り付け可能なデータを出力してください。
  3. 競争環境:全体の傾向を3〜5点にまとめ、各点の根拠となる企業と数値を明記してください。
  4. 当社への示唆:さらに検証が必要な問いを1〜3つ挙げてください。結論は出さないでください。「データが示す事実」と「そこから推測される可能性」を区別し、次に確認すべき情報も示してください。
  5. データの制約:データの欠損や定義の違いなどの制約を挙げてください。

生成AIの回答例(抜粋):中国パワー半導体の代表企業を例にしています。

主な分析結果

  • 規模は全体的に拡大、収益性は全体的に低下。8社とも2025年の売上高が2021年を上回り、年平均成長率の中央値は9.3%でした。一方、営業利益率の中央値は21.6%から10.8%に低下し、8社中7社で売上総利益率が低下しました。
  • 扬州扬杰は例外。売上高が年平均12.8%成長する一方で、売上総利益率の低下は0.8ポイントにとどまりました。
  • 研究開発投資は二極化。嘉兴斯达の売上高研究開発費率は6.5%から12.0%に、华润微电子は7.7%から10.6%に上昇しました。

検証すべき問い

本土企業の売上総利益率が全体的に低下しているのは、中国市場で価格競争が激化していることを意味するのでしょうか。

  • データが示す事実:8社中7社で売上総利益率が低下し、同期間の売上高はいずれも増加しています。
  • そこから推測される可能性:価格競争、生産能力の拡大、製品構成の変化のいずれも要因となり得ます。ただし、財務データだけでは判別できません。
  • 次のステップ:ニュースで継続的に追跡し、検証します(ステップ4参照)。

ステップ4|ニュースアラートで継続的にモニタリングする

ステップ3で残った問いは、ニュースで継続的に追跡・検証できます。

  1. 「最新動向」で検索条件を入力します(こちらからSpeedaの画面に移動できます)。ニュースでよく使われる企業の略称に加え、業界キーワードも組み合わせると、関連ニュースの取りこぼしを防げます。中国語のニュースが対象となるため、キーワードは中国語で入力してください。例:斯达半导 OR 扬杰科技 OR intitle:功率半导体
  2. 検索条件を保存したうえで、左側メニューのメールアイコンから配信先と配信頻度を設定します。
  3. 定期的にニュースをダウンロードし、ステップ3の分析結果とあわせてAIに渡します。参考プロンプトは以下のとおりです。

参考プロンプト

添付ファイル1はSpeedaの「最新動向」からダウンロードしたニュース、添付ファイル2はこれまでの競合ベンチマーク分析の結果です。この2つの添付ファイルを主な根拠として分析してください。添付ファイルの情報だけでは回答できない問いがある場合は、Web検索で補完しても構いませんが、以下のルールに従ってください。
(1)企業の開示資料、取引所の開示情報、政府機関など、検証可能な情報源のみを使用し、URLと日付を明記してください。
(2)Web由来の情報には「Web補足」と明記し、添付ファイルの情報とは分けて記載してください。
(3)Webの情報と添付ファイルの情報が一致しない場合は、添付ファイルを優先し、相違点を指摘してください。

  1. 選別:読み込んだニュースの件数と期間を報告し、無関係な内容や株価の変動のみを伝える記事を除外してください。
  2. 整理:企業ごとに重要な動向を整理し、日付と出典を明記してください。また、企業自身の発表、メディア報道、アナリストの見解を区別してください。
  3. 検証:各動向を添付ファイル2の問いに対応させ、「支持」「一部支持」「反証」「関連情報なし」のいずれに当たるかを判断し、根拠を示してください。ニュースと財務データの時期が異なる場合は、ニュースから言えることと言えないことを明確にしてください。
  4. 判断の更新:ニュースによって従来の判断が変わったかどうかを2〜3文で説明し、引き続き追跡すべき新たな問いを1〜2つ挙げてください。

生成AIの回答例

2026年3〜10月のニュースでステップ3の問いを検証した結果、「一部反証」という結論になりました。2026年は業界全体で値上げが進み、扬州扬杰は10〜15%、士兰微は15%以上の値上げを実施しました。ただし両社とも、値上げは主にコスト上昇への対応であると説明しています。競争の焦点は、価格から生産能力やハイエンド製品の展開へと移りつつある可能性があります。

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