SPEEDA

変化の目まぐるしい中国市場を俯瞰し、
中長期的な経営戦略策定やマーケティングを推進

大手総合化学メーカーのリサーチ業務における活用

旭化成(中国)投資有限公司

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「俯瞰した情報をタイムリーに得られる」旭化成(中国)投資有限公司「思必达/SPEEDA」導入事例

「世界の人びとの”いのち”と”くらし”に貢献します」を理念に掲げ、「マテリアル」「住宅」「ヘルスケア」の3領域で事業を展開している大手総合化学メーカー、旭化成株式会社。世界20ヶ国以上に生産・販売・研究開発の拠点を配置している同社は、グループ全体での事業拡大を目指すべく、2012年に中国上海市において、旭化成(中国)投資有限公司(英語名称:Asahi Kasei (China) Co., Ltd.)を設立。

多くの商材を扱う化学メーカーの地域統括会社である旭化成(中国)投資有限公司では、俯瞰した情報の収集や追求に、経済情報プラットフォームである「思必达/SPEEDA」が活用されています。導入にはどのような背景や課題があり、現在どのようなビジネスシーンで活用されているのか、市場開発部 榊原 弘人 氏と企画管理部 島田 大輔 氏にお話を伺いました。

サマリー

  • 旭化成グループは中国において、自動車(EV)、5G、環境、ヘルスケアを中心に、社会課題やメガトレンドに合致する製品を展開している
  • 多くの商材を扱う素材メーカーでは、川下のメーカーも含めた市場の全体感をつかむことが重要。特に中国市場は変化が目まぐるしいため、柔軟かつ素早く情報収集を行い、効率的に意思決定を行うことが必須。
  • SPEEDAのトップページの概要で、中国市場や政策動向といった俯瞰的な情報を瞬時にキャッチ。中長期計画の策定に貢献。
  • SPEEDAで川下のメーカーも含めたサプライチェーンや市場の全体感をつかむことで事業を推進。顧客の情報を深堀りし、マーケティングに活用。
  • カスタマイズリサーチの活用で、取引先の事前リサーチから報告資料の作成まで業務効率化を推進。幅広い知識をカバーできるというのが、SPEEDAのカスタマイズリサーチの強み。
  • 「SPEEDAは商材が多い企業ほど、幅広く活用できるツール」と評価

貴社事業についてお聞かせください。

島田 大輔 氏(以下、敬称略): 旭化成は1922年に創業した総合化学メーカーです。中国市場に本格的に進出したのは1988年で、北京に事務所を設立し、事業を開始しました。また、2000年代に入ると、さらなる成長を求めて中国各地に進出し、弊社が設立されたのは2012年です。

現在、中国現地法人数は約30社となっています。中国市場では自動車(EV)、5G、環境、ヘルスケアを中心に、中長期的に中国に貢献できるような、社会課題・メガトレンドに合致した製品を積極的に展開しています。

化学メーカーとして中国で事業展開するにあたって、どのような情報の収集に注力していますか。

榊原 弘人 氏(以下、敬称略): 旭化成の事業の一つの特徴として、幅広い分野の製品を扱っていることがあげられます。元々私は2017年から上海で半導体事業に携わっていました。21年10月からは、旭化成(中国)投資有限公司に新設された市場開発部に所属しています。半導体事業の中だけで見ても車向けのオーディオICやスマートフォン向けのセンサーなど、幅広い分野の製品を扱っているため、市場環境や経営の方向性など、さまざまな要因によって、ターゲットにする市場も変化してきます。

特に、中国は変化が目まぐるしい市場です。そのため、変化に合わせて我々もクイックに戦略を変えていかなくてはなりません。そのため、柔軟かつ素早く情報収集を行い、効率的に意思決定を行っていくことに注力しています。

島田 氏: 私が所属する企画管理部では、地域軸での中期計画の策定とその推進がミッションとなっています。

政策を広く素早く理解しつつ、それに関連するメガトレンドも把握し、大局をつかむ情報収集が計画立案を行う上で重要なポイントです。

SPEEDA導入前の課題についてお聞かせください。

榊原氏: 弊社では以前から、車、スマホ関連ではそれぞれ別のサービスを利用していました。ピンポイントの情報は良いのですが、中国市場の動きをマクロの視点で網羅しているサービスはありませんでした。

扱う製品分野が広く、変化の多い市場に合わせてクイックに情報を収集し、戦略を変える必要がありましたが、必要な情報を瞬時に調べることは難しい状況でした。

また、プレイヤーが非常に多い中国において、我々の顧客になる企業の情報を俯瞰して捉えることのできるサービスは、これまでなかなか見つけることができませんでした。

SPEEDA導入前の課題についてお聞かせください。

榊原氏: 情報量の豊富さや、好きな時にいつでも調べられる利便性が好評でした。中でも印象的だったのは、検索ワードを入れただけで、必要な情報が一回で表示されるということです。関係者に収集したい情報を事前にヒアリングし、関連するレポートをダウンロードし参照してもらうなどもしました。

島田氏: それに加えて外部とコミュニケーションを取る際の事前情報収集、他社動向把握、社内報告業務においても有益だと感じました。

榊原氏: サポートデスクに質問をすると、30分以内に返答してくれるというサービスも、大変ありがたいです。情報収集のコツに関しても、カスタマーサクセスチームの方がオンラインミーティングを開いて丁寧に教えてくれるで、非常に好印象です。

ツールの導入において、どのように社内合意を形成されたのでしょうか。

榊原氏: トライアルで利用させていただいている中で、情報源として非常に重宝すると感じたため、実際にSPEEDAから事業に関係あるレポートをピックアップし、総経理以下の関係者に共有して以下に有益か説明を行いました。中国語にも対応しているため、中国のローカルスタッフにとってもメリットがあるというのも、大きなポイントでした。

また、導入後も中国の新興EVなど、社内で注目されているトピックの関連レポートがあれば社内共有し、本社への報告にも活用しています。

導入後に得られた成果についてお聞かせください。

島田氏: 幅広い情報の収集が、効率的かつスピーディーに行えるようになったというのが大きいです。お付き合いのある銀行さんから特定分野の情報を頂くことも多いですが、SPEEDAの場合、幅広い情報を欲しい時に検索することができて、全体像をサッと捉えることができるのが強みではないでしょうか。

また、顧客に近い情報を深堀していくという観点でも、SPEEDAではこのような情報が結構な粒度で掲載されています。そのため、今後は実際の商売につながるような川下の市場の情報収集やマーケティングの観点でも、さらに活用していく予定です。

経営戦略の観点では、中国は社会主義市場経済なので、政策動向を広く浅く押さえておく必要があります。しかし、収集した情報を一つ一つ翻訳をすることは、非常に骨が折れる作業ですし、効率的ではありません。そこで、大局をつかむにあたって、SPEEDAのトップページのレポートが非常に役立っています。

他にも、政府の政策に関連するメガトレンドを押さえておくことも非常に重要です。ビジネスチャンスの把握や、戦略の策定・意思決定を行うにあたって、市場全体を俯瞰して見る必要があります。そういった事業環境を分析するためのツールとしても、SPEEDAのトップページにあるレポートはよくまとまっています。

現在では、有益な情報ツールとして社内でも認知されていて、弊社中国総代表からも「SPEEDAで調べてくれる?」とよく依頼されます(笑)。

我々は化学メーカーとして幅広く事業展開をしているので、今後はコーポレートとしても、事業活動につながる情報の収集にも役立てていきたいと考えております。

化学メーカーとして川下の市場を見ることも重要視されているということでしょうか。

島田氏: そうですね。コーポレート部門の目線で考えると、産業などの広い視点でのリサーチが主となってきますが、実際に売り買いをしている事業になると、より顧客に近い部分の情報を深掘りしていく必要があります。

榊原 氏: 事業目線でいうと、一体どの段階のサプライチェーンにどのようなプレイヤーがいるのかを整理して全体を俯瞰し、市場の状態を知ることは非常に重要です。

半導体部門の製品で言うと、例えばモーターメーカー様との取引について調べる場合、そのさらに川下のメーカーや、市場の状態について把握することは、決して容易ではなかったんです。

モーターメーカー様の先の用途が産業用ロボットの場合、その更に先の用途がどのようなものなのか、自分でリサーチするとなると、非常に時間も手間もかかります。しかし、SPEEDA上のレポートやカスタマイズドリサーチを利用すれば、一瞬で全体像を捉えることができます。

SPEEDAのカスタマイズドリサーチサービスと、他社の調査サービスとの違いは何だと思いますか。

榊原 氏: 我々のニーズに沿って広くフレキシブルにリサーチしていただけるのは良い点だと思います。 ロボット関連のカスタマイズドリサーチのレポートは、サプライチェーンにいるプレイヤーの全体像を把握し、我々の取引相手のさらに川下の情報や市場の状態を把握する上で非常に役立ちました。こちらのレポートを社内展開させていただいたところ、中国の業界に精通している経験豊富な担当者にとっても、把握できていなかった情報が見つかるなど、社内の人間も情報の網羅性に驚いていました。

また、中国の自動車メーカー向けに展示会を開催した際に、カスタマイズドリサーチを利用しましたが、直近3か月分のニュースの中から、主要なニュースのみをピックアップしていただき、翻訳込みで中国語と日本語にまとめていただきました。

弊社のマネジメント層が出席する展示会なので、会話をスムーズに進めるための事前リサーチを行う必要があったんです。

先方の役員様についての情報を、詳細にリストアップしていただいただけではなく、より詳しい情報が掲載されているソースなども教えていただきました。

SPEEDAのカスタマイズドリサーチでは、事前にリサーチのコンサルタントの方からどのような情報収集が可能なのかをきちんと共有していただき、リサーチ内容に合意してから進むので安心です。

島田 氏: 競合調査で利用した際も、公開情報から整理してくださいました。地域拠点の中期計画を作っていくにあたって、他社の動きに関する情報も重要です。報告資料作成にも活用させていただきました。

また、コンサルや調査会社の強みが、一定のトピックや分野に関して深掘りをしてくれるのに対し、幅広い知識をカバーできるというのが、SPEEDAの強みではないでしょうか。

リニューアルされたSPEEDAのトップページはどのように事業にお役に立っているでしょうか。

島田 氏: トップページに掲載されている情報は、中期計画策定において、政策の理解やメガトレンドの把握など、足元の環境認識想定を行う上で、非常に役に立っています。

私がよく見ているのは、カーボンニュートラル関連のレポートです。中国のエネルギー・電力関連の動向は当社事業にも大きく影響するトピックなので、押さえておきたい情報ではあります。

榊原 氏: 幅広い情報量の中から、収集したい情報だけをインプットするのは通常容易ではありませんが、SPEEDAの場合、分野別にソートできるという点が非常に気に入っています。

今後、SPEEDAは貴社事業の展開にどのようにお役に立てるでしょうか。

島田氏: 弊社は非常にさまざまな商材を扱っています。そのため、ピンポイントで情報収集を行うことはもちろんのこと、より効率良くスピーディーに、俯瞰した情報を収集していく必要があります。この点において、SPEEDAは非常に便利なツールと認識しています。

榊原氏: 同感です。SPEEDAは弊社のように商材が多い企業ほど、幅広く活用できるツールなのではないかと感じています。

これまでは自動車をメインにさまざまな商材を横軸で見てきましたが、今後は自動車以外にも、旭化成の持っている商品の販売先を新たに発掘していく必要があります。

そういった点でも、豊富な情報が網羅されているSPEEDAのレポートを、今後も上手く活用し、事業展開に役立てていきたいと思います。

ありがとうございました。

旭化成(中国)投資有限公司

www.asahi-kasei.com
  • 特色

    「世界の人びとの”いのち”と”くらし”に貢献します」を理念に掲げ、「マテリアル」「住宅」「ヘルスケア」の3領域で事業を展開している大手総合化学メーカー、旭化成株式会社。世界20ヶ国以上に生産・販売・研究開発の拠点を配置している同社は、中国での事業拡大を目指すべく、自動車(EV)、5G、環境、ヘルスケアを中心に、社会課題やメガトレンドに合致する製品を展開しています。

  • 業種

    化学メーカー

  • 部署・職種

    マーケティング、経営企画

  • 主な利用シーン

    マーケティングにおける情報収集、経営計画策定における情報収集

  • 旭化成(中国)投資有限公司

    企画管理部 島田 大輔 様

    市場開発部 榊原 弘人 様