Speeda

市場ニーズと動向をスピーディーに現状把握、より効果的に未来のビジネスチャンスにリーチ

大手総合化学メーカーのリサーチ業務における活用例

三井化学(中国)管理有限公司

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市場ニーズと動向をスピーディーに現状把握、より効果的に未来のビジネスチャンスにリーチ

目指すべき企業グループ像を「化学の力で社会課題を解決し、多様な価値の創造を通して持続的に成長し続ける企業グループ」と掲げる三井化学グループ。グローバルに存在感のある化学企業グループを目指し、積極的に海外展開を進め、海外売上高比率は49%にのぼる(2023年3月末現在)。

1998年に設立された三井化学(中国)管理有限公司は、「中国における社会課題を解決する事業の創出」を事業戦略上の課題とし、効率的な情報収集にむけ経済情報プラットフォーム「思必达/Speeda」を活用されている。導入の背景、現在どのようなビジネスシーンで活用され、どのような成果をあげているか、テクニカルソリューションセンター、竹原明宣氏、吉本洸哉氏にお話を伺った。

サマリー

  • 三井化学グループとして中国で各種製品の営業販売と技術サポートをメインに展開。近年は未来に向けた新規事業機会のリサーチと提案も増やしている。
  • 中国市場の今から俯瞰的情報まで日本語で閲読でき、情報収集の効率化に有益。クオリティにも安心感があり、日本本社への情報伝達も効率的に進められている。
  • 情報収集にかける時間的コストの節約に有用。特に事業部数が多い企業において、統一感、効率化を意識した情報収集の標準ツールとして活用できるのでは。

現地の市場ニーズをとらえた本社へのフィードバックを加速

貴社事業についてお聞かせください。

竹原 明宣氏(以下、竹原氏): 三井化学(中国)管理有限公司は1998年に三井化学製品の販売を事業目的として設立された現地法人で、日本の本社は幅広い領域で事業を展開していますが、中国ではフェノールやアセトンなどの基礎化学品、基礎原料から製造したポリマー製品、それにフィルムなど加工品をメインに営業販売、それに販売後の技術サポートを手掛けています。それに、ここ2年ほどの動向として、我々テクニカルソリューションセンターでは日本に向け、中国の市場にマッチした新しい提案をすることが増えています。日本の製品をそのまま中国にもってきていた時代から近年、当地の事情,ニーズを踏まえて、日本側にフィードバックを返すことが増えています。

例えば、中国にはミルクなどパウチ系の食品が結構ありますよね。そのパッケージのタイプでは日本とは違ってキャップやストロー口がなく、パッケージを直接切って飲む仕様です。そういう中国独特の最終的に形になった時のイメージを日本に伝えつつ、この原料を使ってこういうものを作ってみては、と日本側に提案することで課題の解決につなげていく、などといった動きです。

フィードバックは2通りあって、1つは我々の会社の事業部制に基づいて、各部にフィードバックする。それとは別に、三井化学全体として面白い情報を事業部に返すこともあるし、最近はそういった情報を研究開発部門にフィードバックすることも増えています。中国でこの先、こういうものを作ったら良いのではという提案をこちらからする形です。

日本でマーケティング、研究開発が行われているわけですが、現地のリアルなニーズはなかなか伝わりにくくギャップが生じやすい。そこで2年ほど前から技術方面からフィードバックを強めに行うということを始めていて、そのツールとしてSpeedaを使っています。

市場全体とディープな動向情報を網羅的につかむ

Speeda導入検討時のプロセスと決め手について教えてください。

吉本 洸哉氏(以下、吉本氏): 政治と経済がこれほど密に関わる中国、これが分からないことにはこの国でまともなビジネスができないのでは、とまず感じたんですね。でも、中国語はそんなに流暢ではないので中国語の新聞を読んで理解することもできないですし、そのなかでSpeedaと出会いました。たまたま興味あるテーマがあったのでまず無料セミナーに参加させてもらい、それが市場について非常に分かりやすくコンパクトにまとまっていたので導入への検討を進めることとなりました。

竹原氏: 導入の決め手といえば、やはり中国の情報を日本語でとれるというのは非常にありがたいですね。中国語で全てみていくのは時間的にも厳しいので。

吉本氏: 日々の仕事はお客さんと話をするのがメインなので、Speedaを使っていると会話のネタには困らないですね。その業界の最先端をやっている人にしかわからない情報を話すと、「日本人なのによくそんなこと知っているね」という表情をされることもあります。そういうディープな情報と、その一方でスーパーマーケットや車のディーラールームのような、中国マーケット全体の動向がタイムリーに分かる、というのは価値が高いですよね。

竹原氏: あと、これは基本的な話ですが、しっかり構成されていますよね。情報の出典もきちんと記載されていて安心感がありますし、うまくまとめられていて情報がすっと頭に入ってきます。

膨大な情報を取捨選択、精度とスピード感を両立

竹原氏: 偏向のない中立的な情報を取るというのはなかなか難しいですよね。中国では「微信(WeChat)」をはじめ、SNSの情報量は膨大です。ただSNSは情報の偏向、それに根拠に欠けたセンセーショナルなトピックスが流れている懸念もあります。また中国では検索サイトも、検索結果としてヒットした情報のどれを見たらよいのか辿り着きにくく、その点、Speedaでは効率的に情報収集できます。
中国の経済成長率が高い時代は、お客さんとの関係や現場の情報で事業がどんどん拡大していくというフェーズでしたが、今は市場も各業界成熟していて情報戦もあり、とりあえず知らないといけないことは多い、でも知るのが大変。そんな時代にSpeedaはマッチしていますよね。

日本側に情報共有する時に、中国ではこういう会社があって有名です、って言っても日本では知られていないこともありまして。そういう時、企業レポートを活用させてもらっています。一瞬で出てきて、時間の無駄を感じさせないです。
市場の現状把握に時間をかけたくない、大事なのはその先を考えることですよね?どの企業もリソースは限られていて、しかも日系企業は中国というアウェイな場所で如何にうまくやっていくかを考えないといけない。「今の情報」を整理するのに一生懸命、時間かけても仕方がないですから。

数字やグラフはそのまま利用、効率的に本社へ情報展開

事業戦略立案に絡め、どのフェーズやタイミングでSpeedaを参照していますか?

竹原氏: 基本的に日本の本社が事業戦略を立てています。我々はそこで中国市場にいるポジションで中国の情報を提供して、それを基に日本が決めるんですよね。そのほか、新しい提案については色々なフェーズで随時使わせてもらっています。そうした報告に関しても大量の時間はかけられないですから、今あるSpeedaさんのレポートを加工するところから始めたほうが速いです。ポイントをピックアップして、数字やグラフはそのまま使います。綺麗にまとめていただいているので非常に使いやすいです。

Speedaのレポートをそのままシェアすることもケースによってはありますが、基本は加工して要点を伝え、レポートは必要だったら読んでください、という形にしています。
よく使う機能としては、業界レポートとニュース、それに新しいお客さんと会うときはどういう会社か企業情報を調べるために使います。ちょっと検索して出てこないなと思ったらすぐサポートデスクにお願いしています。

特に自動車やエネルギー関連は定期的に情報収集しているとのこと、これも本社報告用でしょうか?

竹原氏: 本社報告の為、というわけではないです。私はどちらかといえば何か面白いネタを探そうと思っていて。特に環境に関する領域でチャンスがあればと思っています。そこで必要に応じて日本にレポートする。世に言うきっちりした報告書にするのではなく、面白いネタが出たらこれどうでしょうか、みたいな感じです。

先を見据えた取り組みをやりましょう、という話をしだしたのがこの数年で、それもあまりがっちり組織的になにかやりましょう、というのではなくて、ちょっとふんわり、技術サイドでやりましょう、それを研究の本部の方にフィードバックして面白いテーマに仕立ててもっていきましょう、という感じにしているので。定期的にというのではなく面白いものがあれば随時展開しています。ただ、あまり広げ過ぎるとどうしようもなくなるので、そこはSpeedaさんの情報カテゴリーとこちらにあるリソースと、最後は我々の感覚というか興味というか、合わされたところをピックアップして展開しています。

能動的な情報発信を経て、「中国情報といえば」と想起される存在へ

情報展開先としてはR&Dの企画部門があって、そこに情報共有しています。また本社サイドにも新規事業をメインでやっている新事業開発センター、そこの部門の方たちに、例えば面白いベンチャー企業など、ネタがあれば不定期に共有したりしています。それも含めてしっかりレポートラインが決まっている、というのではありません。
中国の情報窓口というと、関係会社として生産拠点はいくつか中国にありますが、新しいことをやってみようと考える部門、それも自分たちが扱っている製品だけでなく全体感で考える部門は、中国では我々テクニカルソリューションセンターだけなんですね。実際現在では取り扱いのないような商材だけど面白い、そういう話があればつなげたりしています。少しずつですが、グループ内で中国に関する問い合わせや相談もいただくようになってきました。

既存事業のメインは技術サポートであり、新しい部分は割合としては少ない。でも既存の事業の延長だけではなくてもっと幅広に考える、というのを意識的にやっていると、自然となにか拾えてくるものがあるのではないですか?今そんな活動をやっていて、そこにSpeedaさんをうまく使わせてもらっています。

Speedaプラットフォームで網羅しきれない分野のリサーチにはサポートデスクの他に個別調査という選択肢もあって、それも調査担当の方の入念な事前調査とヒアリングによる目線合わせを経てスピーディーに納品いただき、レポート品質にも満足でした。

社会課題を見出し、ソリューションでビジネスチャンスを創出

今後の御社の事業展開において、Speedaへの期待についてお聞かせください。

竹原氏: 既存のビジネスに関しては有効な情報収集として使わせて頂く、そして、これから先の新しいビジネスに関しては日系企業が中国市場でチャンスをつかむための参考情報源として期待していますね。

私たちの会社全体として、社会課題に対するソリューションを提案しそれをビジネスにつなげる、という戦略方針があります。それを私たちは中国で行うわけですが、ここ中国には必ずチャンスがある。それを掴むためのツールとして活用させて頂けると思っています。

膨れ上がりがちなリサーチの時間的コストの削減に有益

最後にSpeeda導入を検討中の皆さまへ、何かアドバイスをお願いします。

竹原氏: Speedaを契約されているのは、マーケティング、営業、事業部門が多いような印象もありますが、今日お話したように技術系にもおすすめです。
また、営業系の方の情報は対顧客から聞いた話が多く、情報に偏りが生まれることもあるように思います。客観的な情報によって俯瞰することで情報精度を上げられるので、特に対顧客で仕事をしている人にはおすすめと思います。

あとは、時間に迫られている方におすすめしたいです。調べだすと、際限なく色々見てしまったりしますよね、その時間を節約したい方に。それは個人レベルだけではなくて、例えば自動車統計の例でいうと、自動車っていろんな製品が組み合わされてできるから幅広い事業部門にまたがりますよね。それで各関係部門がバラバラに調査をやっているが実は情報ソースは同じ、ということもあります。そこでSpeedaを使えば共通の情報、共通のフォーマットになるわけだし、その方が統一感をもって進めていけますよね。Speedaを標準ツール化することで全社的なコストが削減できることを考えると、その部分だけでも充分ペイするのではないかと思います。

ありがとうございました。

三井化学(中国)管理有限公司

www.mitsuichemicals.com
  • 特色

    目指すべき企業グループ像を「化学の力で社会課題を解決し、多様な価値の創造を通して持続的に成長し続ける企業グループ」と掲げる三井化学グループ。グローバルに存在感のある化学企業グループを目指し、積極的に海外展開を進め、海外売上高比率は49%にのぼる(2023年3月末現在)。

  • 業種

    総合化学メーカー

  • 部署・職種

    R&D

  • 主な利用シーン

    既存商材の投入先市場の現状・動向調査
    新規事業企画の為の情報収集

  • 三井化学(中国)管理有限公司

    テクニカルソリューションセンター

    竹原 明宣さま

    吉本 洸哉さま