幅広い分野でイノベーションを図る、富士胶片(中国)投资有限公司。
貴社の事業に関してお聞かせください。
天生 聡仁 氏:
富士胶片(中国)投资有限公司で取り組んでいる主要分野は、高機能材料、ヘルスケア、印刷、光学デバイス、イメージングの5つです。扱っている商品は多岐に渡り、現在重点的に発展を狙っているのは、医療リソースの不均衡、エコなどの中国の社会問題の解決に貢献できる製品、技術とサービスになります。
これまで写真業界のデジタル化進展による、写真やフィルムの急激な落ち込みなど、幾多の逆境に直面し、乗り越えてきました。創新センターでは、「中国市場開拓の前線として新規ビジネス創出に貢献する」というミッションのもと、高機能材料の事業拡大において、日本の研究所や事業部と連携しながら、日々新規事業開発に取り組んでいます。
多角化戦略に取り組んでいる富士フイルム
中国市場で展開するうえで、どのようなことに注力していますか。
天生 氏:
近年、旧・富士ゼロックスが「富士フイルムビジネスイノベーション」に改名し、株式会社日立製作所から買収した画像診断関連事業も「富士フイルムヘルスケア」として富士フイルムグループに加わりました。このように、異なる分野においてもシナジーを生み出すべく、All-Fujifilmで横断的に連携し、効率化を図っています。
創新センターは5人のメンバーで、日本で開発した高機能材料を中国市場の新規顧客に展開するという、初期段階のマーケティングを担う一方で、新たにお付き合いが始まった中国企業側のニーズを収集、日本へ展開し、ニーズとシーズのマッチングを行なっています。
取扱う高機能材料の例は、自動運転、中国のICTや環境、EVの分野に役立つ材料などです。弊社に持ち合わせていない技術との組み合わせで解決できる可能性もあるため、パートナー探しも進めています。
2020年には上海オフィスに本社Open Innovation Hubの上海サテライトを設立し、新たな気づきを得るべく、お客様と積極的にコミュニケーションを取ったり、我々の技術や製品に直接触れていただいたりできる場を設けています。
知見のない領域において、いかに情報収集を効率化し、考える時間に充てるかが重要
中国での新規領域開拓における課題はどのようなものだったのでしょうか。
天生 氏:
Speeda導入前は、情報収集に非常にリソースがかかっていました。通常、創新センターで取り組むプロジェクトは、当社に既存事業が無く、全くの新規で知見がない領域であることがほとんどです。技術面の情報に限らず、業界では常識でも、我々にとって未知な一般知識を探求する必要がありました。
また、中国の情報は中国語でアクセスする必要があるため、情報収集は容易ではありませんでした。当然、ローカルスタッフは中国語でのアクセスはできますが、情報収集スキルのプロではありません。メンバーの情報収集力を底上げするという課題もありました。
一方で、新規領域を開拓するにあたって大事なことは、市場の動向を見たうえで、どのように動くべきか、我々に何ができるかを考えることです。情報収集だけに時間を費やしてしまうと、考える時間が相対的に減り、業務効率が低下します。そのため、情報収集を効率化させ、本業である考える時間を創出することが重要なポイントでした。
Speedaをご活用いただくことで得られた効果についてお聞かせください。
Speedaのサポートデスクを活用するようになってから、情報収集の時間の短縮化や業務効率化ができたことによって、時間に余裕ができ、考える時間に充てることができるようになってきたと感じています。
言語面でも、Speedaは中国の情報に日本語でアクセスできるため、非常に価値を感じています。
ローカルメンバーの情報収集力の底上げもでき、部署全体としても業務効率化にもつながっています。
情報収集における時間の短縮と効率化に大きく寄与。サポートデスクは中国版Speedaの大きな魅力。
普段の業務でSpeedaをどのようにご活用いただいているのでしょうか。
天生 氏:
新規事業におけるデスクトップリサーチのアウトソースとして使用しています。
中国市場と日本市場とは異なり、顧客の意思決定のスピードが非常に早いです。そのため、最新の情報をクイックに獲得し、提案に活かすことが非常に重要です。この素早い情報収集にSpeedaを活用しています。
Speedaの業界レポートは既に形成された市場や技術に関する情報が多いため、例えばスマートホームなどトレンドワードの概念などをざっくり知りたいときなどに役立てています。また、Speedaで収集した情報を取り入れ、資料を作成させていただくこともあります。
レポートに最新の情報が見当たらない場合は、サポートデスクに問い合わせをしています。
業界レポートなどに反映されていないような最先端の情報に関して、国・企業等が発行するホワイトペーパーや、ニュース記事レベルでも、まずは、サポートデスクを通して取り寄せるようなイメージで依頼しています。
前回問い合わせさせていただいた内容については、俯瞰的な情報はもちろん、細かい情報や参考になるセミナーの例まで教えていただき、非常に有用でした。情報提供頂いたセミナーにも早速参加させていただき、提供された情報はすべて活用できました。
Speedaのサポートデスクの特徴はなんでしょうか。
実は、Speedaのサポートデスクの説明を受けたとき、当初は一般的なトラブルシューティングのためのヘルプデスクのような想定をしていたのですが、良い意味で期待を大きく裏切られました。
サポートデスクにはコンサル出身者もいるなど、信頼性の高さにも魅力を感じています。私はSpeedaは日本でも利用していたのですが、中国版Speedaの大きな強みは「Speeda外の情報も探してくれる点」ではないでしょうか。
調査会社にお願いすると、正直なところ、値段も時間もかかりますが、Speedaのサポートデスクを使えば、最先端の情報をクイックに獲得できます。我々にとってSpeedaのサポートデスクは、チームの一員あるいは専属のリサーチ係のような存在です。
ローカルメンバーも含め、チームメンバーにも積極的にサポートデスクを活用するように促しており、先日もサポートデスク利用の定着に向けたSpeeda利用説明会を開催していただいたところです。
今後Speedaに期待することがあれば教えてください。
天生 氏:
新規事業を進めるうえで、情報収集はSpeedaにアウトソースし、自分たちで考える時間をより捻出できればと考えています。新規事業開発を進めるうえで、より個人、チームで考えて推進することができる組織にしていくことが理想です。
Speedaのサポートデスクには、引き続き新規事業開発の一助になっていただければ幸いです。
導入を検討している他企業へお伝えしたいことがあればお聞かせください。
天生 氏:
一次情報を網羅的に集めるには、一定の情報収集スキルが必要です。しかし、Speedaを活用すれば、カスタマイズされた調査をアウトソースでき、網羅的な情報を瞬時に収集することができます。そのため、そのようなリソースを必要とされている企業にこそおすすめです。
ツールとしての活用だけではなく、情報収集のサポートも非常に充実しているため、さまざまな企業にヒットするのではないかと思います。
調査を目的に新たなリソースを追加したり、初動調査で、調査会社を活用するよりも、Speedaの方が圧倒的にコストパフォーマンスが高いと感じるため、コストの削減や業務効率化を課題としている企業は、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
ありがとうございました。
富士胶片(中国)投资有限公司(中国法人)
www.fujifilm.com.cn-
特色
写真フィルムで培った技術や経験を生かし、「ヘルスケア」「マテリアルズ」「イメージング」の3つの領域で、事業を展開している富士フイルム株式会社。人々のQOLの向上やサステナブルな社会を実現するべく、さまざまな分野の課題解決に日々貢献しています。
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業種
機械・電気製品
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部署・職種
高機能材料・新規事業
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主な利用シーン
新規事業開発、最新動向・トレンド、業界分析
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富士胶片(中国)投资有限公司(中国法人)
天生 聡仁 様