抵抗器分野でトップシェアを有するKOA株式会社
貴社事業についてお聞かせください。
白岩良太 氏(以下、敬称略) 弊社の香港拠点では、中国に拠点を置くお客様へ電子部品を販売しております。主力製品は、ノートパソコンや自動車といったさまざまな電子機器に使用されている「抵抗器」でして、抵抗器分野ではトップシェアを有しています。
香港拠点には何名が勤務されているのでしょうか。
下園 裕介 氏(以下、敬称略) 香港拠点には34名おりまして、うち営業に携わっている社員が20名ほどです。中国本土、香港スタッフ中心で、日本人は4名在籍しております。
変化し続ける中国市場にあわせて拡販戦略を変更
貴社にとって、中国市場はどのような位置付けなのでしょうか。
白岩氏:
以前は中国にある日系や欧米系企業との取引が多かったのですが、現在では現地の中国企業といかにビジネスを作っていくかが重要であり、弊社の事業が成功するためのポイントになっています。
2009年くらいまでは、当社がビジネスをしている華南エリアはいわゆる「世界の工場」として、日系や欧米系の企業の生産拠点でした。しかし中国企業の技術力が高まってくる中で、華為(ファーウェイ)や海尔集团(ハイアール)といった世界のリーディング企業が現れはじめ、そうした企業をサポートしていくことにビジネスチャンスがあると感じ、弊社の戦略も変化してきました。
こうした市場環境の変化で我々のKFSも変化しています。以前の拡販活動では、すでに決まっている設計にあわせた製品に対して、いただいた注文を、決められた納期内に納品するためにオペレーションを回すことが重要でした。現在ではお客様に我々がソリューションを提案し、お客様の設計から量産までをサポートする、いわゆるデマンド・クリエーションを行なっていくことが重要になりました。
そうした変化とともに、弊社全体の売上構成比も変化しています。2015年までは中国企業向けの売上比率は28%ほどでしたが、2019年度は50%まで伸びています。また、中国企業向けの売上は、2015年から2019年で240%まで成長しています。
現地の新規開拓リストの作成に課題感
現地で営業活動を行なっていく上で、どのような課題があったのでしょうか。
白岩氏: 主要なリーディング企業への拡販が奏功し、次の成長の柱となるターゲット顧客を探していました。マーケティングも中国語の壁があり、中資企業ターゲットのリスティングで苦労し、効率も悪く課題を抱えていました。 また、最近では深圳を中心に起きたメイカーズムーブメントによって、モノ作り系のスタートアップ企業が多く生まれましたが、世の中に情報があまり出てこないため、アプローチがうまくいきませんでした。
分かりやすいインターフェイスと費用対効果を理由に導入を決定
「Speeda」をお知りになったきっかけをお聞かせください。
白岩氏: 私は以前からNewsPicksの読者でして、「Speeda」というサービスも概要は知っていました。本社の新規事業開発チームから「Speeda」の話を聞きまして、私たちの課題を解決できるのではと考えてお問い合わせをしたことがきっかけです。
どのような競合サービスと比較検討をされたのでしょうか。
白岩氏: 「Speeda」の導入時には、日系企業のビジネス情報提供サービスや会員制ビジネス情報提供サービスと比較検討しました。自分たちでリサーチをするだけでなく、本社や同業他社の方からお話を聞きながら検討を進めました。
比較検討後、1週間ほど「Speeda」のトライアルを実施させていただき、扱いやすいインターフェイスと費用対効果を理由に導入を決定しました。
「Speeda」の第一印象はどのようなものだったのでしょうか。
白岩氏:
とにかく検索がしやすいインターフェイスだと思います。また、業界の動向やインサイトをまとめた業界レポートが非常に分かりやすいと感じました。
顧客リストの作成においては、わざわざ企業名をクリックせずとも、顧客の財務諸表がパッと表示されるUIも使いやすいですね。
日々の業務フローに「Speeda」を組み込むことで環境を整備
香港拠点で「Speeda」を導入するまでの流れをお聞かせください。
白岩氏:
これまで多くのツールを導入してきた経験から、「Speeda」をいかに組織に定着させるかを考え、運用体制や業務フローに組み込むことで、スタッフがしっかり活用できる環境を整えました。
まず1つが、各営業が担当しているターゲット顧客や市場についてのニュースやリリース情報を、「キーワード登録」の機能を使って新着情報が自身のメールに届くようにしました。そして、その最新情報を社内のグループウェアで共有するというルールを作りました。
もう1つの仕掛けが、定期的に実施しているターゲット企業の分析に必ず「Speeda」を活用してもらうことです。その結果、「Speeda」を触る機会がかなり増えたと感じます。
こうした導入を進める上で、ユーザーベースのご担当者に勉強会を開いていただき、リサーチのフレームワークや、市場分析に活用できるフォーマットについてのアドバイスをいただきました。また、ローカルスタッフ向けに中国語による勉強会も行なっていただきました。
勉強会や日々のサポートが非常に充実しているので、本当に使いこなせるかという不安はありませんでした。ローカルスタッフからも、情報がとにかく豊富でまとまっており、とても使いやすいという感想をもらっています。
幅広い切り口で、網羅的なリストアップを実現
「Speeda」はどのようなビジネスシーンでご活用いただいているのでしょうか。
下園氏: 最も多い活用シーンはポテンシャル顧客リストの作成です。例えば新しくリストを作成する際、市場単位で検索するとそこで活躍している企業が一覧で出てきます。また、その業界のリーディング企業を検索すれば、その企業の競合企業も調べることができるため、いろいろな切り口でリストを作成することができる点が高評価であり、我々がアプローチしなければならない企業が網羅されているのだと感じています。
そこで作成したリストは我々の販売パートナーである代理店にも共有し、彼らからの要望もリスト作成に反映することもあります。以前は代理店からの案が多かったのですが、「Speeda」導入でこちらから能動的にプロモーションを進められるようになりました。
また、その他にも市場調査やレポートの作成時にも活用しています。
リスト件数は3〜4倍近くに。情報ソースの一本化でコストを抑えることに成功
「Speeda」を導入して、どのような成果がありましたか。
白岩氏:
ターゲット顧客数は、以前は市場ごと数社しか見つかりませんでしたが、Speeda導入後、3〜4倍近くに増加しました。
また、市場レポートの作成工数は大きく下がりました。以前はリサーチに深夜までかかってしまうこともありましたが、「Speeda」の業界レポートやインサイトを参考にすることでリサーチではなく、今後の市場はどう変化していくか、また、弊社はどうすべきか、といった考察に時間を割けるようになりました。
コスト面に関する変化についてお聞かせください。
白岩氏: 以前は中国に関する情報サービスや有料のビジネスメディアなど、多くの情報系サービスと契約をしていたのですが、幅広い情報をキュレートできる「Speeda」に一本化しました。そのため、「Speeda」のコストは掛かっても、以前の情報サービスを解約したことでコストはあまり増加していません。
「私たちの中国事業にとって、『Speeda』は強力なエンジンです」
今後の展望についてお聞かせください。
白岩氏:
現在の事業の延長線だけでなく、持続的な成長を考えていく上では新規事業への投資も行なっていくことも重要になります。そうした新規事業の立ち上げスピードを上げていくために必要なマーケティング調査にも、「Speeda」を活用していこうと考えています。
私たちの営業活動において、「Speeda」は強力なエンジンです。事業を成長させる上でスピードはとても大事な要素であり、我々の事業展開を加速させるための強力なパートナーとして、今後もお付き合いしていきたいです。
ありがとうございました。
興亞電子(香港)有限公司
(本社:KOA株式会社)
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特色
家電や通信機器、車まで、あらゆる製品の電子回路に組み込まれている「抵抗器」の分野で世界的なシェアを有する日本企業が、KOA株式会社です。同社の香港拠点である興亞電子(香港)有限公司では、中国市場における拡販活動を担っており、中国市場を開拓するために積極的な拡販活動が実施されています。
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業種
製造・メーカー
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部署・職種
営業
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主な利用シーン
営業部門における顧客リスト作成
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興亞電子(香港)有限公司
(本社:KOA株式会社)總經理(Managing Director)
白岩 良太 様
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興亞電子(香港)有限公司
(本社:KOA株式会社)營業經理(Sales Manager)
下園 裕介 様