SPEEDA

リサーチ業務を効率化し、
限られたリソースを
インテリジェンス業務に集中。

電力事業会社のリサーチ業務における活用

三菱电机电力机电装备(北京)有限公司

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1週間かかっていた資料作成が3日まで短縮。三菱電機グループ中国拠点の「SPEEDA」導入事例

中国全土における三菱電機グループ電力事業の中核となる三菱电机电力机电装备(北京)有限公司。機器の販売から顧客サービスの総合的な対応窓口となっているだけでなく、三菱電機グループの中国におけるインテリジェンス機能も担っています。同社からグループ全体に展開されるリサーチ情報や考察をベースに、三菱電機グループの中国におけるビジネス戦略が練られています。

そのインテリジェンス機能におけるリサーチ業務では、経済情報プラットフォームである「SPEEDA」が活用されています。導入にはどのような背景や課題があり、現在どのようなビジネスシーンで活用されているのか、同社社長(董事・总经理)の江口 晴正氏にお話を伺いました。

サマリー

  • 三菱电机电力机电装备(北京)有限公司は、三菱電機グループの中国拠点としてインテリジェンス機能を担っている
  • 同社ではリサーチ業務の効率化とスピードに課題を感じ、大手調査会社との比較検討後にSPEEDAを導入
  • 重要なアポ前の事前リサーチや、日本側への定期報告及び幹部への説明資料等のデータ収集、カスタマイズドリサーチで専門領域に深化させたリサーチも行なっている
  • 1週間程度かかる資料作成が3日に、また採用コスト(人件費)が抑えられているといった定量的な成果も

変化の激しい中国の電力産業と、三菱電機グループ中国拠点の役割とは

貴社事業についてお聞かせください。

江口 晴正氏(以下、敬称略): 三菱電機の電力事業の中国拠点である弊社では、さまざまな電力機器やシステム、ハードウェアを主に中国の電力会社向けにご提供しています。各発電会社に加え、中国で送配電事業を営んでいるのは、国家電網公司(こっかでんもうこうし)と中国南方電網有限責任公司(ちゅうごくなんぽうでんもうゆうげんせきにんこうし)の2社であり、地方での営業は各地方政府が統括しているほど巨大な会社です。

弊社の代表的な製品では、原子力、火力、水力等各発電所向けの発電機、1軒家くらいの大きさである大型の変圧器及びそれを保護する開閉器等が挙げられます。他にも発電所や電力系統の制御機器などのハードウェア販売だけでなく、機器の保守メンテナンスも手掛けています。

中国の電力事業の概観を簡単にお聞かせください。

江口氏: 中国の電力消費量は世界一でして、アメリカの倍近くの規模を誇っています。その中でも工業用の電力消費の割合が高く、アメリカの工業用電力は全体の3割ほどに対し、中国ではおよそ7割の電力が工業用に供されているそうです。

その一方で、広大な国土ゆえに発電所から各工場への電力の送配には多くの設備が必要となります。そのため、10年ほど前は日本をはじめ海外からハードウェアを輸入することは珍しいことではなく、ヨーロッパ勢や日本国内の競合とのコンペティションになることがほとんどでした。

しかし最近では、中国国内の現地企業の競争力が強くなり、入札でも勝てないことが増えてきたのです。そうした背景から電力産業の変化スピードも早くなっていると感じており、我々もその変化にあわせて攻め方を変えていくことが、目下のミッションとなっています。

変化の大きい中国市場で、貴社はどのような役割を担っているのでしょうか。

江口氏: 三菱電機グループ全体の電力事業をどう展開すべきかを判断するために必要な情報、例えば、中国企業がどんな動きをしているのか、どんな事業のモデルが生まれているのかといった情報をリサーチするインテリジェンス・リエゾン機能を担っています。

もちろん、現地で電力関連の受注を多く取ることも重要ですが、それと同じくらいのウェイトでハードウェア販売の次につながる新しいビジネスチャンスを生み出すための情報収集活動にも注力しているのです。

効率的、かつタイムリーな情報リサーチに課題感

現地での情報リサーチを行なっていく上で、どのような課題があったのでしょうか。

江口氏: 中国という非常に大きな市場をリサーチするためには、効率的かつタイムリーに活動していく必要がありました。

当然、リサーチ業務によって売り上げが生まれるわけではありませんので、2, 3人という少人数で効率的に調査をしなければなりません。また、タイムリーな情報を集めるためには中国語が堪能な現地メンバーが必要になります。

そこで、効率的かつ迅速にリサーチ業務を長期的にサポートしてくださる協力会社を探すことになりました、調査会社やシンクタンクなどと比較検討を行ない、「SPEEDA」さんを選びました。

調査会社やシンクタンク5社+「SPEEDA」で比較検討を実施

他社との比較検討はどのように行われたのでしょうか。

江口氏: 当初は「SPEEDA」を除く、5社の調査会社やシンクタンクでコンペティションを行なっていました。電力産業という特殊な業界ですので、電力関連のリサーチに強みがある大手企業に発注を決めかけていたのですが、とある銀行の方から「SPEEDA」をご紹介いただきました。そこで5社+「SPEEDA」で比較検討させていただき、最終的に「SPEEDA」を導入させていただきました。

リサーチパートナーとしてツールを導入。現地スタッフの採用よりも低コスト

導入の決め手となったポイントをお聞かせください。

江口氏: 日本語と中国語に対応していることが大前提でした。調査会社によっては中国語と英語だけで日本語未対応の場合もありました。

公開されている情報を一括で網羅できる点と、「カスタマイズドリサーチ」で個別に特化した調査を行なっていただける点もポイントでした。

また、価格面でも満足しています。調査会社やシンクタンクでは数千万もかかるサービスもあったのですが、リサーチ業務を丸ごとお願いしたいのではなく、あくまで我々のリサーチ業務をアシストしてくれるパートナーさんを求めていました。私たちの役目は集めた情報をもとに自分たちの頭で考えることであり、そこまで他社に依頼すべきではないと考えています。

そうした意味で「SPEEDA」の導入費用は専門チームを構成するよりもコストは掛かりません。サポートデスクの方には、思いつきで質問しても30分で答えをいただけたりと、かなりスピーディなご対応をいただけているので、従業員3人ほど増えたような実感があります。

こうした費用感のおかげもあり、現地判断で予算化して導入を進めることができました。

重要な打ち合わせ前には「SPEEDA」を活用して必ずリサーチ。クライアントからの感謝も

「SPEEDA」はどのようなビジネスシーンでご活用いただいているのでしょうか。

江口氏: 現地企業の社長にお会いしてヒアリングをする際には、必ず事前に「SPEEDA」を活用して直近の活動や財務情報のリサーチを行なってから臨むようにしています。

弊社がお付き合いしている企業は、国営の大手企業からローカルのメーカーまで幅広いのですが、それらの企業情報も網羅しているのはありがたいです。お付き合いがこれまでなかった企業は、本当に大丈夫なのかを確かめるための信用情報を調べたり、重要な案件に臨む場合は、2~3日かけてリサーチをすることもあります。

最近印象的だった「SPEEDA」の活用シーンをひとつご紹介します。先日、将来の中国のEV(電気自動車)の生産台数を予想したデータがないか、と日本の政府系の出先機関からお問い合わせがありました。

そこで中国の自動車業界に詳しい方に聞いたものの明確な回答がなかったので、「SPEEDA」のサポートデスクに問い合わせをしたら、およそ30分後に1つのURLが送られてきたのです。ニッチなサイトでしたが、まさに求めていた数値が記載されており、そのURLの記事に弊社の見解を添えたものをご紹介したところ、非常に感謝いただけました。

現地スタッフもスムーズに「SPEEDA」を活用

「SPEEDA」の「カスタマイズドリサーチ」は、どのような領域のリサーチにご活用いただいているのでしょうか。

江口氏: まず契約の半年間で、中国における次世代の電力システムについて調査いただき、レポートにまとめていただきました。そのいただいたレポートをベースに、まずは弊社が参画できそうな事業を考察したのです。

そこからさらにフォーカスを絞った上で、残りの期間で次世代電力システムに取り組んでいる競合プレイヤーや将来の展望を調査いただきました。

現地のスタッフが活用する上ではどのようにご活用いただいていますでしょうか。

江口氏: 社員の1人が中国人女性なのですが、彼女には各種資料を作成する上で参考となる数値のリサーチをお願いしています。中国語と日本語の両方が使えるので、「SPEEDA」で非上場企業の動向や最新のニュース記事をまとめてもらっています。

また、弊社の財務部門から依頼される、企業の信用調査という難しい案件の場合でも、「SPEEDA」のサポートデスクを活用しながらスムーズに業務を進められています。

1週間程度かかっていた資料作成が3日まで短縮。およそ年間数百万円分のメリット

「SPEEDA」を導入して、どのような成果がありましたか。

江口氏: 社内向けの資料作成の時間が大幅に短縮された実感がありますね。例えば、「中国の洋上風力発電事業の実態を、事例を含めてすぐに報告してくれ」、と日本側幹部に依頼された場合、以前であれば情報の整理、資料の体裁を含め一週間くらいかかってしまうイメージでした。

しかし今では、最短3日ほどでご報告ができるスピード感だと思います。「SPEEDA」で検索したさまざまなサイトの情報や、「カスタマイズドリサーチ」のレポート内容、アナリストの方が執筆したトレンド分析レポートなどの情報を私たちがまとめ、考察を加えて日本側幹部に報告できています。

実際にリサーチする人手も最小限に抑えられているため、結果的に年間数百万円くらいのメリットがあるのではないでしょうか。

丸投げではなく、自身の頭で考察していくことが重要である

今後の展望についてお聞かせください。

江口氏: 中国は世界においても強い影響力がある市場であり、しっかり動向を把握しておかないと、グローバル市場で取り残されてしまうというリスクがあります。中国拠点としての使命は、三菱電機グループが中国市場の実態を正確に把握し、適切に判断できる状態にすること。そのためにも「SPEEDA」や現地で手に入る生の情報に対して、精度の高い考察を加えて三菱電機グループに展開していきたいと考えています。

そこで大事になるのは、調査会社やシンクタンクに頼り切って丸投げするのではなく、我々自身がしっかり考えることです。情報収集を効率的に行い、限られたリソースをいかにインテリジェンスな部分に割いていくか、そのうえで「SPEEDA」は最適なパートナーだと思っています。

ありがとうございました。

三菱电机电力机电装备(北京)有限公司

www.mitsubishielectric.com.cn
  • 特色

    三菱电机电力机电装备(北京)有限公司は、三菱電機グループの中国拠点としてインテリジェンス機能を担っています。中国全土における三菱電機グループ電力事業の中核となる販売会社であり、顧客サービスの総合的な対応窓口となっています。主に発電・送電・変電の各機器、システムの販売などの分野を手掛けています。

  • 業種

    電力事業会社

  • 部署・職種

    インテリジェンス・販売会社

  • 主な利用シーン

    インテリジェンス機能におけるリサーチ業務

  • 三菱电机电力机电装备(北京)有限公司

    董事・总经理

    江口 晴正 様